FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
名作中の名作。
世界を正しく見るために欠かせない一冊だ。
あのビル・ゲイツが勧めている本というだけで興味を持ってしまう。
この本は、
「我々の思い込みの強さは想像以上で、その思い込みにより世界をありのままに見れないということ」
を実例を出して紹介している。
3つある選択肢のうち1つを選ぶ問題。
人間はバイアスによって正しく物事を捉えることができないからだ。
・人間は、「良いこと」より「悪いこと」の方が目につきやすい。
貧困者数、奴隷制度、HIV感染、戦死者、乳幼児の死亡率、児童労働、災害による死者数、飢餓などは減り続け、
女性参政権、安全な飲料水、識字率、予防接種などは増え続けている。
劇的に改善していることはデータでみると一目瞭然だが、普段目にするニュースやイメージによりどんどん悪くなっているという印象はないだろうか。
・人間は無意識に二極化して考えがちである。
世界を「先進国か、発展途上国か」と2分し、「世界は分断されている」という思い込みが最たる例だ。
データを見れば世界のほとんどが中間にあるという事実から、この判断基準はおかしいと分かる。
富と貧困、正義と悪などもそうだ。
・人間はどうしても直線的に考えてしまう傾向がある。
「このまま人口が増え続けると、世界の人口がパンクする」という思い込みなど。
過去こうだったから、同じ比率で未来も進んでいくとは限らない。
上記のように、無意識に判断してしまうことがよくある。
それは今までの経験や、入ってくる情報によって左右されている。
正しい理解は以下の10の本能により阻まれている。
1.分断本能「世界は分断されている」との思い込み。
2.ネガティブ本能「世界はどんどん悪くなっている」との思い込み。
3.直線本能「××はひたすら増え続ける」との思い込み。
4.恐怖本能「それほど危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう」。
5.過大視本能「目の前の数字が重要だと考えてしまう」。
6.パターン化本能「ひとつの例が全部に当てはまる」との思い込み。
7.宿命本能「すべてはあらかじめ決まっている」と思い込み。
8.単純化本能「世界はひとつの切り口で理解できる」との思い込み。
9.犯人探し本能「誰かを責めれば解決する」との思い込み。
10.焦り本能「いますぐ手を打たないと大変なことになる」と思い込み。
GPSが道案内に役立つのと同じで、事実に基づいて世界を見ることは人生の役に立つ。
世界を正しく見ることは過信に陥りがちな自分を批判的に見ることと同じである。
事実を事実として捉えていく力を身につけたいと思わせる一冊。
情報が溢れているからこそ、事実が書かれている文献のみが信用に値するのかもしれない。